4月に入ると夏野菜苗の販売が始まります。その年の夏野菜の栽培計画などを立てはじめる時期ですね。
夏野菜苗は4月中旬頃に販売にあわせ、冬から準備が始まります。4月頃には苗木の種類が出揃い始めるので、多くの苗が店頭に並ぶ4月中旬頃~ゴールデンウィーク前後には購入しておくとよいでしょう。
トマトだけをとってみても多くの品種があります。種類豊富な時期には、苗を選ぶ楽しみも味わえますよ。
中には〝誰々が育てた苗しか買わない!!〟という方も。お気に入りの品種を探すのも楽しいですが、栽培者による違いも発見できたらより楽しいですね。
こちらは、3月1日に播種したもの。
地に薄く土を敷いておくと、根の成長も進み地上部も健康に育ちます。
購入した苗をすぐ植えられないなど都合が付かなかったら、土の上にポット苗を置くようにしておくと丈夫に保管できます。ポットの底穴から根が出てきても、根の成長を妨げないように置いておきましょう。
4月に入り、夜間気温も15℃を大きく下回ることは無くなったので、ビニールがけ→ネットに変えて保管していました。
暖かくして地上部が成長し安定したら、夜間の冷えにも慣れさせるようにします。低い気温で落ち着かせると、根の成長を促せるといいます。ポットの中に、しっかり根が回るようになります。
土の準備も大切!!
苗選び・購入も大事ですが、この時期あわせて大切なのが土壌の準備です。トマトは、暑さが続けば10月頃まで長く収穫を楽しめるので、長期間その下地となる土壌が意外と重要になります。
根を張りやすいように土を柔らかくしておくことももちろんですが、土全体に石灰を混ぜ込んでアルカリに戻しておく必要もあります。プランターで使用済みの土を再利用する場合には、日光消毒&天日干ししておくとよいでしょう。
また、収穫を長期間楽しむには、やはり肥料を切らさないことが何よりですので元肥をしっかり施しておきましょう。
夏場は雑草も旺盛に生える時期でもあるので、暑い季節に雑草取りをしなくて済むようマルチシートを敷いたりする方もいます。
石灰は、植え付けの2週間以上前までに。肥料は1週間前までに、土壌づくりには良く言われています。
石灰は、前もって撒いておくだけで自然降水により徐々に時間をかけて浸透していく部分もあるので、前季の作物の撤収時に撒いておくと少し手間が省けます。
元肥として施す肥料も、前もって混ぜ込む時間がなければ、定植する場所をポットより10㎝程度深く掘り肥料を置きます。植え替える苗の根に、強い肥料が触れると弱ってしまうことがありますので、よく混ぜ込むか、あるいは通常の土で覆ってからポット苗を移すようにしましょう。そうすれば、根の成長に要している間に、肥料も土に馴染むようになります。
トマトは、元肥が多すぎると葉や茎ばかりが茂り、実も落下しやすくなります。とくに、窒素が多い肥料は避けましょう。ツルボケの原因になります。
元肥は控え目に、成長に応じて追肥で対応するのがポイントです。
◆今年、トマト栽培に使った種はこちら↓
夏野菜の菜園チャレンジといえば、思いつくのはまずトマトですね。
絶好の家庭菜園シーズンを楽しみましょう!!
植え替え(定植)のポイント
プランター栽培では、頻繁に水やりをしたり、簡単に移動させることができますが、地植えだと簡単にはできません。また、やや乾燥気味に育てることが成功の秘訣です。
真夏の暑さにも強くなるように育てましょう。
原則、水やりは定植時の1回だけにする。(気温の落ち着いた夕方の時間帯が◎)
≪写真;右下≫定植するカ所に、前もってたっぷりの水をやっておきます。この最初の水やりだけで、心配になる方もいるでしょう。
日中の暑い時間帯に、元気のない苗が心配になり何度も水やりをしに行く姿、よく見かけますが・・・
しかし、気温が高く、直射日光が当たる最中に水をやると、根が熱せられて弱ってしまいます。日中の水やりは、熱い湯をあげているようなものなのです。
また、もともとトマトは乾燥地帯の植物です。乾燥気味に育てても、酷暑に耐えて元気に成長できるように栽培したいですね。そのためには、深く根を張らせるよう育てることが大切。
定植後まだ安定してない状況で、たびたび上から水やりを繰り返してしまうと、根が深く下の方に張りにくくなり、多少の外泊もままならない弱弱しい苗になってしまいます。
≪写真;右上≫のように敷き藁を施すと、極度の乾燥や地熱の上昇を避けられて、雑草対策にもなります。
マルチシートを敷く場合
また、マルチシートを敷く場合のことにも触れておきます。
平畝でも良いのですが、ここ数年、集中豪雨が多いので高畝もおすすめです。
高畝につすると水はけが良くなるので、排水の悪い土地での栽培では高畝がおすすめです。
また、大雨が降った際に水たまりができやすい場合は、その度合いに応じて高さを調節してみましょう。根が浸水したり、土も流されるリスクも軽減します。
日本には梅雨があり、年々初夏の台風被害や、一局に集中した豪雨災害も多く聞くようになってきました。
最初は手間のかかる仕事ですが、後々の天候に左右されにくい栽培方法を選択できるといいですね。
脇芽を欠いて誘引する
支柱に八の字になるよう、少しゆったりと結び誘引します。
茎周りが成長し太くなったら結び直せるよようにすると、後々に調節しやすいです。
一般的には1本立ち(1本仕立て)にして、他の脇芽をすべて取り除いてしまう栽培方法が多いようです。
≪写真;左側≫の脇芽→を残しておくと、大きく成長し側芽にも栄養を取られてしまいます。
実が成る時期に、栄養を多方向に分散しなくてはならず、株も弱りやすくなります。
脇芽をしっかり欠いて、主茎の1本に健康な実がなるように管理していきましょう。
支柱の選び方と誘引
プランター栽培や手狭なベランダ菜園では、長くてしっかりした支柱を安定して固定することが難しいかもしれません。
とくに、ミニトマトなどの品種によっては、細く高いところにまで成長してが届かなくなることもあります。
重くて長い支柱を立てられない時は、小学校の朝顔の栽培でつかった円柱状の支柱を使ってみましょう。
つる性植物の栽培のイメージが強いですが、トマトなどを巻き付けて誘引し栽培することも可能です。
背の低いお子様など、いつでも簡単に世話をすることができる高さで管理することができますよ。
ただし、大玉の品種のトマト苗などは茎が太くなるので、円柱状に巻き付けて誘引するのは難しいです。
写真のように、ある程度の高さにまで成長したら、次は横方向に誘引しましょう。
(これまで地面に垂直に成長していたものを、地面と平行に成長するように方向を変えます。)
目の高さくらいで管理できれば、その後の収穫なども簡単です。
誘引しつつ、随時気が付いたら脇芽を取り除き、1本仕立てで管理・誘引していきましょう。
実がなり始めたら追肥(プランター栽培)
写真のように、花が咲き終わったガクの部分に小さい実がなりだしてます。
これから次々に実がつき、大きく成長してくる時期なので、追肥が大切です。
プランター栽培の場合、地植えと違い明らかに土の量が少ないので元肥の消費も早いです。
また、貯水性も悪いので、頻繁に潅水するため水と共に栄養も流れ出てしまいやすいのです。
株の根元から少し10~20cm程離して、化成肥料を軽く一握り。あるいは、薄めた液肥をやりましょう。
即効性の肥料は2~3週間おきを目安に定期的に追肥するようにしましょう。
ただし、成長も威勢よく、濃い緑の葉が生い茂っている場合は、追肥を見送ります。
地植えの場合の追肥
地植えの場合、すぐに元肥が切れてしまうということはありません。1段目の開花後に実が付いたころに追肥は、まだ早い可能性が高いのです。
肥料過多は落果の原因にもなりますので、肥料のやり過ぎには注意が必要です。
3~4段目の実が着果したことを確認したら追肥しましょう~と指示されることもありますが、株が大きくなってくると細かい部分までは見落としてしまいます。
1つ目の実が、少し色づき始めた頃を追肥の目安にすると判断しやすいです。
色が変わってくる時期であれば追肥をし忘れることもありませんし、少し収穫してからの追肥でも遅すぎるなんてことはありません。
焦らなくても大丈夫です。
実の状態によって、実尻が茶色く枯れたような実を確認できればカルシウム不足だと分かりますので、その判断をしてから追肥でも遅くないですよ。
実が色づき始めても、たくさんの花芽をもっています。
また引き続き実を実らせますので、追肥をして管理しましょう。
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