カボチャの育て方≪種からの栽培も簡単≫

カボチャの苗も、夏野菜の時期に出回ります。

夏野菜としてのイメージは低いですが、時期をずらして育てれば秋のハロウィンシーズンの収穫も可能です。

他の夏野菜の種と比べても大きく強いので、種からでも簡単に栽培することができます。

今回は4月には定植する計画から逆算し、3月初旬に播種しました。もう少し暖かくなってからの播種であれば、直播でも可能です。

3月のまだ寒い時期からの播種だったのと、幼苗の管理が楽なのでポット蒔きでまとめます。

種まき用の土の方がラク♪

カボチャの種は、トマトなどの種よりも大きく管理がしやすいです。直播きでも栽培できるくらいなので、種まき専用の土でなくても苗を育てることもできます。

でも、どっしりした土を使うと水やりの際、ポット底に泥がたまってしまうことがあり、根が張りにくくなるので注意しましょう。

たっぷりと潅水しやすく、柔らかい種まき専用の土を使えば、細かい根の成長も促しやすく、管理もラクです。

普段からよく利用している、何にでも使い勝手のよい9cmポットを使いました。ポットに種を1つずつ蒔いていきます。

(発芽率の心配な種は2~3粒ずつ蒔きます。)

深さは、第1関節分くらい。

土を被せ、軽く押さえ付けることで、種と土を接着させ落ちつかせます。

しっかり潅水させましょう。

水が滴るくらいの量をやります。そのまま上にビニールを被せ、乾燥させないようにすれば発芽まで小まめに水やりをする手間も省けます。



温度管理が大切

発芽温度は25~30℃が適温ですが、発芽してしまえば20℃前後でも生育可能です。3月にポット蒔きをしたので、この温度管理が重要なポイントとなりました。

専用の育苗マットがなくても育てることができるので、やってみましょう。

◆床暖房の設備がある家

床暖房の床の温度は約30℃のものが多く、この温度をそのまま育苗マットに利用できます。

水分が飛んで乾燥しないようにビニール袋の中にいれ、軽くビニールの口をふさいで床に置いておきます。

温度が上がり過ぎてしまわないか心配な場合は、下にタオルや新聞紙を敷いておきましょう。

日差しで熱せられたコンクリートの上でも発芽しました。発芽するまでは、湿度もある程度高くても大丈夫でした。(夜間は室内に入れたり、発砲スチロールなどで保温したりします。)

※発芽したら、葉に直接ビニールが当たらないように注意してください。

◆ホットカーペットを使う

電気カーペットを上記の床暖房のように使います。我が家では、ペット用のホットカーペットを菜園用に使っています。

温度が高いカーペットもあるので、違うトレイに入れたり、新聞紙を底に敷いたりして温度を適度に調整しましょう。

地温の管理が大切なので、100円ショップなどで地温も計れる温度計を購入すると良いでしょう。

ポット蒔きでの育苗だと、土の量が多いので地温が上がりにくいです。
(トレイ蒔きと同じように地温が上がるか、1度確かめてみましょう。)

この写真は、3月1日に播種した苗を25日に撮影したもの。

それまで2重~3重のビニールに通気口をあけ、その日の気温や日中の日の当たり具合で調節していました。

この日、関東でも珍しい3月の積雪の影響もなくなったので、外の畑にトンネルを作り苗を移動しました。

この時期はまだ、夜間10℃くらいまで下がる日もあります。ビニールトンネルでの保温だけですが、寒さで枯れてしまうことはありません。日中は日があたりトンネル内の温度が上がり過ぎないよう、ビニールの開閉で調節してください。



4月頃~苗を購入

カボチャ苗は家庭菜園用でもホームセンターに多くの種類が出回ります。地域の直売所に毎年出荷している苗木屋さんの苗を購入するのも、収穫が楽しみですね。

品種で選ぶのも楽しいけれど、苗を作った人が誰だか分かることが安心する、という人もいます。

4月中旬には苗が出揃います。早く植えれば6月~7月の収穫を楽しめますし、遅い時期の植え付けて秋のハロウィンシーズンの収穫にもなりますし、保存しておいて冬至カボチャとして頂いてもいいですね。

4月以降なら、多少遅くなっても栽培ができます。

カボチャは地を這うので広い面積の畑が必要なのですが、家庭菜園ではミニカボチャなど小さい種類のカボチャを選んで支柱に誘引するように育てれば、場所もとらずに栽培できます。

せっかくなので、普段スーパーなどでは見かけない種類のカボチャを育てると楽しいでしょうね。

カボチャ苗の植え方

乾燥した荒地で栽培されますので、水はけのよい土を好みます。乾燥には強いですが、過湿には弱いです。砂利がごろごろ混ざった土壌でも問題なく、育ちます。水はけが心配な土壌の場合は、高畝をつくり植えましょう。

肥沃な土壌は求めません。肥料が多いと(特に窒素成分)、ツルばかりが伸び実がなりにくいツルボケ状態となってしまいます。肥料は少なく控えるように注意が必要です。あるいは、リン酸・カリウムの成分が多く入った肥料を選ぶようにしましょう。

ただし、石灰は撒いておきましょう。酸性土を嫌いますので、使用済みの土を利用する際は2週間以上前に石灰を撒いておきましょう。

これは4月10日前後に定植したときの写真です。

こんなに砂利混じりの土ですが、

乾燥気味に育てられるので高畝にせず、そのまま定植しました。

定植の前にはしっかりと潅水を。

株元から15cm辺りのところに離して化成肥料を置きました。

カボチャ苗の根元に敷き藁を置きます。

風で苗が揺さぶられないようになりますし、雨による泥はねを防げます。

株が成長するまで、ネットで覆いましょう。

定植したばかりの苗はまだ小さく、害虫に喰われると成長が妨げられます。とくに、ウリハムシの食害に合いやすいので注意します。

ある程度大きく成長し、葉数も増えてきたら、多少の食害にあっても大丈夫なのでネットを外しても大丈夫ですし、受粉のために虫の力を借ります。

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マルチシートを敷く場合

雑草の管理が大変になる春~夏シーズンは、マルチシートを活用してる方も多いと思います。

カボチャは過湿に弱いので、水はけの良い土壌が理想的です。さらに、高畝にしてマルチシートをかけておくと良いでしょう。高畝にすると、水はけがよくなります。

こちらの場合も、化成肥料を株から少し離しておくだけ。

定植したら、株元を少し凹ませておきます。すると、自然雨水が苗に入り込みやすくなります。

定植の直後は水をやりますが、その後は徐々に自然雨水に任せていきます。



ネットを外して整枝・摘心

ここまでツルが伸び葉数も増えてきたら、もうウリハムシに多少かじられても大丈夫です。第1花も咲いてしまったのでネットを外します。

保護ネットが小さい場合、ネットにツルが絡まないよう早めにネットを外しても問題ないです。葉数が安定し、害虫も問題ないようならはずしましょう。

第1花だけでは受粉できないので慌てることはありませんが、そろそろ枝数を調整する時期になります。

◇長く伸びている主蔓=親ヅル

◇脇から出てきた脇目=子ヅル

 

西洋カボチャ日本カボチャかで摘心・整枝の方法は違う・・・といわれていますが、ツルの数を管理するという点は同じです。1つのツルに何個のカボチャを成らせるか、調整するのもお好みです。

一般的に流通しているのは9割が西洋カボチャと言われており、その一般的な整枝方法は、〝親ヅル1本、子ヅル1本、(予備の子ヅル1本)〟です。(3本仕立て

今回は、〝親ヅル1本+子ヅル1本〟の写真の載せます。

主軸の親ヅルから、節ごとに新芽子ヅル)が出てきています。丈夫な子ヅル1本を選び、その他の新芽(子ヅル)を欠きます。

密集してた葉もすっきりして、少しさみしくなりますが、風通しもよくしてうどんこ病などを防ぎます。

このように、お好みで2~3本仕立てにして地を這わせたり、支柱に誘引させていきます。




元肥が多いとツルボケしやすくなりますが、カボチャは着果する頃合いの後半になってから養分を必要とします。花芽をたくさん持ち始めたら、株元に追肥しましょう。

1番花が雌花なことが多いですが、雌花だけでは実はならないこともあり、第1果は通常はなりません。雄花があっても自然受粉できる確率は低く、葉数が少ない根元近くに着果しても、いい果実にはならないので摘果してしまうことが多いです。

一般的には1つのツルには2個の果実までと調整することが多いです。自分だけのこだわり野菜づくりを楽しみましょう。

雄花・雌花と受粉の作業

写真≪左側≫が雄花、≪右側≫が雌花です。

雌花の花の付け根に、小さく丸い玉が付いているので簡単に見分けが付きますよね。

雄花の中の雄しべに付いてる花粉が、雌花の中の雌しべに付くことが受粉です。開花し始めは花数も少なく、自然に任せて受粉する確率が低いので、人の手で行った方が良いでしょう。(人工授粉、または人工受粉

雄花の花びらは不要なので、雄しべのみ残して花びらを取り除いてしまった方が簡単です。雄しべの花粉を雌しべに付けて周ります。

早朝~朝9時くらいまでに行うようにしましょう。花粉の受粉能力はずっと続く訳ではく、受粉の成功確率はどんどん下がっていってしまいます。遅くても朝10時までに、と言われています。

花が咲きそろったら、風や昆虫による自然の受粉に任せて良いですが、確実な受粉と着果数を管理したい場合には人工受粉にしましょう。



受粉成功&着果したら追肥

受粉に成功し、無事に着果したら追肥をします。株元から10~15cmのところに化成肥料を軽く一握り。

ただし、葉が青々と茂っている場合は肥料過多となる可能性があるため、少な目に施します。

大きいカボチャ栽培する際は、その重みで傷がついてしまいます。

実が大きく重くなる前に、保護用マットと下に敷いておくようにしましょう。

わざわざ専用のマットを購入しなくても、身の回りにあるもので代用が可能。食品トレー(発砲スチロール)の底に雨水が溜まらないように穴をあけ使いましょう。

受粉し着果したことを確認し次第すぐ、栽培数の管理もかねてマットを敷いておいたほうが良いでしょう。

グランドマーク(地に付いたまま成長した跡)も目立ちにくい実が収穫できます。

◆西洋種のカボチャは、開花後40~45日ほどで収穫となります。ヘタの楯状の細い筋が、茶色くコルク化してきますので、それを目安に収穫しましょう。

◆日本種のカボチャは、開花後25~40日ほどで収穫。緑のヘタの色が、黄色~褐色(品種による)に変わったら収穫しましょう。


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