エンドウの種類にもいろいろありますが、いずれも栽培方法など同じです。
絹さやは、サヤエンドウとも呼ばれていますし、スナップエンドウは地域やブランドによってスナックエンドウと呼ばれ、完熟した豆はグリーンピースになります。
彩りも良く、いろいろな料理に使いやすい野菜ですし、追肥もあまり必要でないので簡単です。
種から栽培する場合でも、さほど手間はかからないので、たくさん収穫したい方は種から栽培してみてはいかがでしょうか?
プランターでも畑でも簡単に栽培できます。
今回は、つるあり品種でご案内します。
※つるなしは草丈が短くなりますが、70cm前後まで伸びることもあり、いづれにせよ支柱が必要です。
丈が短いぶん早く収穫できますが、収穫量はやや少なめに感じます。
栽培方法や栽培時期は同じ
栽培のタイミングや方法が同じ種類のものは、同時に始められるので作業の手間もはぶけます。
今回選んだタネはこちら。絹さやとスナックエンドウ1種類ずつにしました。
春先に苗を買っても良いですし、価格も手頃で難しくないので、タネからチャレンジしてみても良いと思います。
余ったタネは、チャック袋に入れ冷蔵庫に保管します。有効期限内の発芽率は保てないかもしれませんが、あまり違いを感じる程ではありません。
2種類育てたいときは、違う花色で選ぶのがおすすめです。
白花と赤花で分ければ、どこに何を植えたか一目で分かります。好みの問題ですが、菜園も一気に華やいで見えます。
花粉が混じっても、実に影響はありませんが、自家採取したタネは交雑種になるので翌年の栽培には不向きです。
※そもそも市販の多くはF1種が多いので、自家採取では同じ特徴をもつ品種のタネを得ることはできません。
ホームセンターなどで並んでいるタネをみていると何を選んで良いのやら悩みますが、選ぶ時間も楽しいですし、基本的に栽培は簡単なのでフィーリングで選んで大丈夫です。
思った以上に寒さに強く、関東でも何度か積雪のあった2018年の冬も元気に乗り越えてくれました。
(関東の平地でも2~3回の積雪があり、1週間以上雪に埋もれていましたが、支障なく成長しています。)
暖地&中間地での寒冬対策も後々ご紹介していきます。
種まきは寒くなってから
秋まきではありますが、暖かいうちに早く蒔くと成長の途中で冬が訪れ、霜や冷たい風に当たり枯れてしまうかもしれません。
本格的な冬が訪れる前に背丈が大きく成長してしまわないように、注意しましょう。
発芽しても幼苗で越冬できるようにします。エンドウ苗は低温にさらされることで、花芽の分化が進むので、温暖地域での越冬は大事な工程ともいえます。
蒔き時の目安に、購入したタネの袋に記載ある栽培例に合わせて、また11月中ごろまで暖かい日が続くようであれば少し蒔き時期を遅らせてる判断をしても良いでしょう。
畑や、使用済みのプランターの土を利用する前に必ず石灰をまき、酸性に傾いた土を補正しておきましょう。
酸性土を嫌い、連作障害には弱いです。
マメ科の植物は、根の根粒菌により窒素が供給され、ヤセ地以外ではあまり窒素肥料は必要ありません。窒素が多すぎると蔓ばかり伸びつるぼけになるので注意してください。
リン酸・カリの比率を多く施肥するのが一般的ですが、わざわざ専用の肥料を購入するのは大変なので化成肥料を少なめに混ぜ込むだけでも良いです。
実は根粒菌のおかげで、全くの無施肥でも成長できます。
夏野菜の栽培にたくさん施肥したようであれば、その後のマメ科植物の栽培に肥料は控え目で良いでしょう。
鳥に注意~鳥害対策必須~
発芽直後のマメ科の二葉には、タネの殻が付いたままのことが多いです。また本葉がでてきても、マメ科特有の丸い葉や、柔らかい葉が少ない冬場には鳥に狙われやすくなります。
そのため、鳥避けネット(不織布シート)を施したほうが安心です。
特に冬の時期は、鳥のエサとなる木の実や虫が少なく、硬い葉物でもお構いなしな鳥害被害に合うことがあります。
布シートで覆うことで、少し風避け・寒さ避けの効果もあります。
強風対策・寒さ対策
温暖な地域でも、強風対策は重要です。
北側に畝を作ることで、直接冷たい北風にさらされることを防げます。
畝を作った上に布シートをかけて置けば、保温性も上がるので霜よけ効果もでてきます。
ネットが風で飛ばされないように、重りをのせるか、しっかり固定しましょう。
発芽後は寒さが和らぐ2~3月上旬までそのまま何もせず待ちます。
プランター菜園の場合は四方をフチに覆われているので、布シートで覆うだけで保温性は十分です。
逆に、外気が低温のうちに苗が大きくなり過ぎないよう注意してください。
積雪の可能性のある年や、例年よりも低温の予報がある場合は、種をまいた上に藁(わら)を置きます。
なかなか藁が手に入らないときは、秋の枯草でも可能です。
土に返るものを利用すると管理が楽でしょう。
また、もう使わなくなったすだれを利用したり、最近ではホームセンターで人工敷き藁も売っています。
大雨で土が固まってしまったり、泥はね予防にもなります。乾燥する日が続いても、藁などで覆われていれば保湿性もあがるので、水やりもせず自然の降雪に任せておくことができます。
そのまま1月中旬頃には、藁の隙間をぬったように生えてきた苗の姿を観察できます。
2018年には東京でも大雪となり、畑も長期間雪に埋まっていました。
苗の姿を観察できても、地域やその年によっては3月頃まで雪が降る可能性もあります。じっくりと、焦らず、そのまま様子をみましょう。
2月頃から、ホームセンターなど店頭に苗が出回り始めます。
まだまだ寒い日もありますので、定植するタイミングにも注意してください。(室内で保管されてた苗をいきなり冷風にさらすと弱ってしまう可能性があります。)
苗を購入できるので、簡単に春から菜園を始められますが、定植のタイミングに注意しましょう。
ポットから苗を移すとき、根を少しほぐすと土になじみやすくなるので、傷まないように慎重になる必要はありません。
支柱を組み立てる
3月頃、もう寒波に見舞われることもないようであれば、支柱を組み立ててあげましょう。
根を傷めないように、少し株元近くを避けて設置します。
敷き藁は、根を保護してくれるので、そのまま置いておきます。泥はね対策や、雑草の対策にもなります。
購入した苗を春から植える場合は、マルチシートを使うことでも泥はね・雑草対策になります。
藁は、意外と夏野菜シーズンまで使いまわすこともできますので、風などでバラバラに散らばらないように束ねたまま置いておきましょう。
苗から伸びる蔓(つる)は細く、支柱につかまることができません。
そこで、ちゃんとつかまり立ちできるように、紐や藁を使って誘引してあげます。
一番簡単なのは、栽培用ネットを支柱にかけてあげる方法ですが、終了後の撤収作業が大変なので、夏野菜への切り替えで忙しい時期には使っていません。
今回は、藁を少し束ねて支柱に結び付け、ぶら下げている写真を載せています。
強風対策になりますし、藁はそのまま土に返るものなので、管理が楽です。
放任栽培にはとても便利です。藁が手に入らない場合、麻布などの表面がツルツルしていない紐を垂らして使いましょう。
うまく支柱を登らせてあげることで、密集する部分が少なくなるので風通しが良くなります。
組み立て完了した全体像が、こちらの写真になります。
この支柱組み立ての際、少し追肥する作業もします。
肥料のやり過ぎはつるぼけの原因になるので、注意してください。
心配な場合は、花が咲き始めたタイミングで追肥すればよいと思いますし、我が家では1度も追肥せず収穫までたどり着けたくらいです。
※ただ、追肥をし忘れただけです。
このまま上につたっていき、つるあり品種では2mくらいの高さまで成長する種類もあります。
花芽がついたら
キヌサヤは、開花して10日前後で収穫できるようになります。
莢を太らせるとエネルギーを消耗し、株が弱くなるので収穫量も減ってしまいますので、まだ若く柔らかいままを収穫していきましょう。
スナップエンドウは、開花後2週間~20日前後で収穫できるようになります。
莢が全体的にふっくらしてきたら収穫します。
収穫が遅れると硬くなってしまいますし、株も疲れやすくなるので、早めに収穫するようにしましょう。
タネができてしまうと、もう実を付けなくなってしまいます。
長く美味しく楽しむポイントは、どちらも共通です。
収穫が始まったら、株の体力も消耗しますのでその分を追肥していきます。
うまくいって、収穫期が長く続くようなら、すこしづつこまめに追肥するようにします。
実を付ける前までは、ツルばかりが伸びる『ツルボケ』の状態になる可能性があるので、肥料をやるのは我慢しますが、
収穫できるようになったら栄養は必要です。
また、開花期は水分も必要になりますので、乾燥が続くときはたっぷり水やりをするようにしてください。
絹さややスナップエンドウの栽培では、忙しくなるのは収穫期のみ。
◆開花期~収穫期だけの追肥で、じゅうぶん収穫ができます。
◆種まきからトータルすると栽培期間は長くなりますが、
支柱の設置までなにも手間はかからないので簡単です。
◆忙しいのは収穫期だけで、収穫が成果として得られるので結果として楽しめます。
以上が家庭菜園向けの理由です。
もくもくと目の前の作業に集中していると、無駄に悩んだりする時間を埋められるようで、土いじりに癒されます。
なにも考えず、のうのうとしたい人に...家庭菜園をおすすめします。
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