代々伝わる田んぼがあり、親戚が集まって自分達が食べるお米は自分達で育てています。
子どもの頃は従兄弟みんなでピクニック気分で楽しんでいましたが、
スーパーでも買えるのに、なんでそんな面倒なことを…苦労して…と、思った時期もありました。
だいたい世の中の仕組みが分かるようになってきて、
この〝ありがたみ〟が良く分かるようになってくるようになりました。
地方に転勤したとき、「東京に田んぼなんてあるの?」と本気か冗談か分かりませんが驚かれ、それが強く印象に残っています。
そして、稲苗を植えたら、
極端な話、あとは刈るまで放って置けばいいと思っている人も多いようです。
田植えが大変!と思う人も多いようですが、今時は手作業では植えませんので…。
そして、収穫ももちろん機械でやれますので、
きっと、「田植え」と「稲刈り」の印象しか無いのだろうな~と思います。
▼8月は、鳥害対策!!
地域によって、栽培時期や生育状況は異なってくるとは思いますが、
毎年8月のお盆シーズンに向かって稲穂が出てくる時期を迎えるようになります。
この時期から大切になってくるのが、鳥害対策。
個人的には、これが2番目に大変な作業だと思っています。
茎の部分がはらむ(※稲穂が出る準備)ようになってから、
稲穂が出てきて花を咲かせるようになるまでに、鳥よけを設置しないといけません。
これは完全には機械化できないと思います。
地味な作業ですが、とても大切なこと。
ネットを張りめぐらせたり…オブジェを設置したり…と、
その家や立地よって大きくやり方が違うので、その家の工夫の違いが興味深いんです。
ただ、完全に暑い真夏の作業となるので、厳しい。
ちなみに、私が個人的に1番大変だと思うのは、5月頃に水を流し入れるまでの準備作業です。
田んぼにスムーズに水を引き込めるように、水の通路を確保したり、
畔が崩れたり、水が意図せず流れ出てしまわないように「畔シート」を張るなど、田んぼの準備作業です。
水を張って耕運機で耕せるようにるまでの、機械には頼れない部分。
人間の目で確認しながらの手作業となります。
なかなか地味で大変な作業ではありますが、
自分達が食べる米は自分達で作るメリットもあるようです。
私は全く覚えはありませんが、「平成の米騒動」の時のこと、
自家製米なので、作物の規格も何もないので、我が家ではタイ米を食べたりするようなことは無かったようです。
また、冷害はなくとも、規格を満たすため、もしくは等級の良い米に拘って作る必要がないので、不必要な薬剤は使わないで済みます。
審査に必要な着色粒なんて、選別する機械の精度が上がっている時代に、
変わらず〝着色粒の数〟を基準をしているので、その等級基準そのものが批判されているという側面もあります。
気候の変化で栽培適所も年々変わってきていますし、ここ最近顕著に変わってきていると聞きます。
着色米だって問題なく食べられますし、
見た目をキレイにそろえたいなら、選別する方法もあるので…。
商品としての価値を高めたい!という農家側の気持ちも分かりますし、
安く買い叩かれるのを防ぐ、一定の基準にもなっている点が重要でもあります。
どうしても消費者は見た目で選ぶ傾向があるもの確かですが、昔ながらの基準そのものの意義を疑いたくなってしまいます。
規格は、農家のやりがいとなる評価基準ではありますし、そのやる気を引き出す大切な制度でもあると思いますが、
いつまでも昔と変わらないままでいいのかな~と思ってしまいます。
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