紫外線の当たる環境条件によって、万願寺とうがらし表面が黒くなる症状が現れるようになります。
ストレス負荷に対して、実を守ろうとポリフェノールの一種を出すようになり、
徐々に寒くなりつつ、秋~冬に向かって行っているんだな~と、季節の移ろいをしみじみと実感。
尻腐れ病だと言われることもあるようですが、
それは柔らかく腐れていく病気ですし、ちゃんと対処もできますよね。
市場に出回るピーマン(緑)などは、
そのような形質が現れないように改良が重ねられているので、目にすることはないだけ。
(※黒いピーマンやトウガラシの品種もありますが。)
一方、自然交配では、この形質を消すことは今のところ出来無いのです。
▼▼▼憧れの京野菜の栽培!!↴↴↴
なにかと、見慣れないものは敬遠されがちですが、
その理由を知れば、これは自然な生理現象なんだな~と理解できます。
この現象を〝生理障害〟と言い換えるだけで、なんだかネガティブなイメージ…。
なので、『万願寺甘とう』とするためには、京都のブランドとして厳しい基準で認証登録される必要がありますが、
日の当たり方の問題で黒あざ症が出てしまったものでも、
『万願寺とうがらし』であることには変わりありませんし、十分に美味しくいただけます。
(※もちろん、万願寺甘とうはとても美味しい。)
寒さなどのストレス負荷で甘くなったり、発色がよくなったり、栄養価が上がったりする作物も多くあり、
これも、同じようなもの。
最近では、ポリフェノールなどの含有量の多い野菜が〝付加価値の高い作物〟として注目されるようになってきているので、
見た目にとらわれず、むしろ好意的に捉えるようになってもいいのでは?、と感じました。
ただ、私が何の栽培技術も持ち合わせていないだけ、と言われればそれまでです。
黒いアントシアニン果ができないように栽培する技術は、到底マネできるようなものではないでしょうね。
さらに、曲がり果などを取り除いたり、形の良いものを大きく育てるためには、大変な努力が必要なのだと思います。
夏の高温期でも黒いアザが出てしまうことがありますし、
秋~冬の時期だけでなく、梅雨どきの低温でも同じようにアザが出てくる事もあります。
家庭菜園を通して、改めて本場の京野菜へのリスペクトと憧れを新たにしました。
▼万願寺唐辛子の色の比較。↴↴↴
※全体的に真っ黒になったものを集めてみました。
こんなに黒くなるものか…と少し驚きもあります。
しかし、黒万願寺とうがらしのアントシアニンは、熱に弱く不安定。
※ピーマンなどのトウガラシ属に共通。
※熱に強いアントシアニンもある。
つまり、調理していると、
加熱の方法によっては、黒い色素が一部退色し、元の緑色が戻ってくる部分もあります。
回りまわって、以上の話をまとめると、
『黒くなっても、気にする必要はない!!』ということで、落ち着いてしまいます…。
見慣れないものに対しては少しギョッとするかもしれませんが、
その理由を理解して、そして改めて京野菜ブランドの栽培の難しさと厳しい選果基準にリスペクト。
さらに家庭菜園の魅力も新たに、これからも楽しんでいこうと思いました。
▼▼▼登録農薬の適用範囲とか難しい問題。↴↴↴
▼▼▼どんどん育てたいもの増えていく…。↴↴↴
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